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パパのお父さんはへっぽこ小児科医

へっぽこ小児科医によるへっぽこ育児ダイアリー+α。父親と小児科医の視点から日本の医療と世相を斬って斬って斬りまくる、なんてことはなく、日々思ったことを綴ります。何かと大変な育児、読んでいただいた人に少しでもお役に立てれば良いのですが。。。

熱の素朴な疑問に答えます

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こんにちは、あんきろさんです。
前回は解熱剤戦争について書いてみました(座薬vs飲み薬 〜仁義なき解熱剤戦争〜)が、今回はその流れで、外来でよく聞かれる熱の疑問にお答えしましょう。

昨日に引き続いて真面目な内容ですよ!

 

 はてなブログには目次記法という便利な機能があるらしいので、今回はそれを使ってみます。

目次

それでは各質問に答えていきましょう。

高い熱は怖い熱?

よく「熱が40℃超えてて…、悪い病気じゃないでしょうか?」という方が外来に来られます。
確かに熱が高い方が重症なイメージがありますが、どうなのでしょうか?
こういうことを調べられている方はちゃんといて、幾つかの論文があります。
大体の結論は一致していて、「高い熱=悪い病気」ではないけど、熱が高い方が重症の感染症の可能性は高いという結果が出ています。
なので、やはり熱が高いこと、特に40℃を超えるような発熱が要注意というのは正解です。
とはいえ、40℃を超えるような発熱でも元気に遊んでいる子は結構いますし、全体的に見れば、40℃あっても入院しなければいけないような重症の感染症の割合は低いので、熱が高いからといって心配しすぎる必要は全くありません。

解熱剤で下がらない熱は怖い熱?

「高い熱は怖い熱?」の次によく聞かれるのが「解熱剤を使っても熱が下がらないんですが、悪い病気じゃないでしょうか?」です。
これについてもいろいろ調べられていて、幾つか論文があります。
こちらも大体の結論は一致していて、発熱の原因がなんであれ、解熱剤の効き方には違いがないという様な結果が得られています。
つまり、解熱剤が効かないからといって怖い熱ではないということですね。
結局、解熱剤というのは体が熱を上げようとしてる働きを薬の力で邪魔しているだけなので、いくら邪魔しても、もともとの熱を上げようとする働きが強い時には負けてしまいます。
よく解熱剤は手足が暖かくなってから使いましょうと言われますが、手足が冷たい時はまだ体が熱を上げようとしている状態なので、解熱効果が低いということからきているものと思われます。
とはいえ、実際には効いていないわけではなくて、40℃まで上がる熱が38℃台で収まっている、というようなイメージです。

解熱剤はどのタイミングで使えばいい?

解熱剤を使うタイミングがわからないというのもよく聞かれます。
「高い熱は下げなければいけない」と思い込んでいる人は(医者も含めて)たくさんいて、「こんなに熱が高くて頭に悪影響があったりしないんですか?」というのもよく聞かれますが、感染症に対する熱というのは、体がその感染している病原体を排除しようとして出すものなので、基本的には障害を残したりする様なレベルの発熱になることはありません。ただし、熱中症のような外的要因による発熱が加わるとまた話は別ですが。
その一方で、体が病原体を排除しようとして熱を出しているのだから、その戦いを邪魔してはいけないからと「解熱剤は絶対に使っちゃダメ」派の人も(医者を含めて)結構います。
確かにこの理論には一理あり、実際に解熱剤を使った方が風邪のウイルスが長期間体内で検出されたという報告や、水ぼうそうで症状が遷延したという報告があります。
つまり、解熱剤を使用した方が治りが遅いこともあるということです。
じゃあ解熱剤は使わない方がいいのかというと、そうでもありません。
解熱剤のメリットは発熱による不快感を取ってくれることです。
発熱でぐったりしてご飯も食べられない、水分も取れない、眠れないような状態では、なかなか体力も回復せず、結果的に治りも遅くなります。
そういうような場合に解熱剤を使ってあげて、たとえ数時間でも楽な時間を作ってあげられれば、その間に食べたり飲んだり寝たりできて結果的に体力の回復が早くなり、病気も早く治ります。
こういう、発熱でぐったりして食べたり飲んだり寝たりできないような時が解熱剤の使い所です。
逆に、いくら熱が高くても本人が元気に遊びまわっているような状態であれば、解熱剤を使用する意味はほとんどありません。こういう時に使うと、上に書いたように症状の遷延につながる可能性があります。
ちなみに、解熱剤を使用せずにクーリングで様子をみる場合は、首筋や脇の下、股の付け根などをアイスノン®等で冷やしてあげると効率よく体温を下げられます。
さらにちなみますと、熱さまシ○ト®などでおでこを冷やしても解熱効果はまったくありません。(頭が冷えると気持ちいいのでその効果はありますが)

解熱剤はどれくらいまでなら使ってもいい?

これまたよく聞かれるのが、「解熱剤を使うと熱は下がってくれるんだけど、2-3時間したらすぐに熱が上がっちゃって…。どれくらい空けたらまた使っていいですか?」ということです。
一般的にはアセトアミノフェン(商品名はいろいろです)を1回に体重あたり10mg(例えば10kgの子なら100mg)使用、6時間以上空けて1日3回まで、というのが処方例として多いと思います。
これは実はちょっと少なめです。
日本は欧米に比べて伝統的にアセトアミノフェンの投与量が少なかったのですが、2006年に厚労省の検討会での報告で欧米と同じ水準の投与量が推奨される様になっています。
その報告書には「通常、小児にアセトアミノフェンとして、体重 1kg あたり 1 回 10 mg~15 mg を使用する。 使用間隔は、4~6 時間以上とし、1 日総量として 60 mg/kg を限度とする」という様に記載されています。
つまり、体重あたり10mgの処方であれば4時間空けて繰り返し使用することができます。
ただ、アセトアミノフェンを多量に使用すると肝障害などの副作用がみられることがあるので、使用はくれぐれも主治医との相談が必要です。

熱性けいれんの子に解熱剤は使っちゃダメ?

熱性けいれんはその名の通り熱の時にけいれんが起こることで、有病率は7-10%程度と言われています。
つまり、子どもの10人に1人弱は熱性けいれんを起こしたことがあるということになります。結構多いですね。
この熱性けいれんですが、熱の上がり始めに起こすことが多いと言われているので、解熱剤でいったん熱を下げるとまた上がる時にけいれんするんじゃないかということで、解熱剤を使いたがらない人が(医者を含めて)結構います。
これについてもいろいろ研究されていて、結論としては、解熱剤を使用しても熱性けいれんの頻度は変わらないという様な結果になっています。
つまり、解熱剤を使っても熱性けいれんを起こす子は起こすし、起こさない子は起こさないということです。
ということで、上で書いたように熱でしんどそうだったら使ってあげればいいということですね。

最後に

よく聞かれる質問はこれくらいでしょうか。

意外に思いつかなかったですね。

これはどうなの?とかあれば、聞いてもらえれば答えられる範囲で答えますよ!

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