読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

パパのお父さんはへっぽこ小児科医

へっぽこ小児科医によるへっぽこ育児ダイアリー+α。父親と小児科医の視点から日本の医療と世相を斬って斬って斬りまくる、なんてことはなく、日々思ったことを綴ります。何かと大変な育児、読んでいただいた人に少しでもお役に立てれば良いのですが。。。

小児科医が卒乳について、失敗談を含めて語ってみるよ

スポンサーリンク

f:id:ankylosaurus:20170307160643p:plain

どうもあんきろさんです。

はてなブログのトップページから消えるに伴い、またアクセス解析のページが瀬戸内海のような凪の状態になっている今日この頃です。

昔、日本を旅していた外国人が「日本には河がない、日本人が川と読んでいるのは、あれは滝だ」みたいなことをブツブツ言っていたら、旅を続けているうちに瀬戸内海を見て「なんだ、日本にも河があるじゃないか」と言ったいう話がありますが、失礼ですね。お前の国では河にあんなにたくさん島があるのか?あったらすいません。
とにかく瀬戸内海はれっきとした海です。いいとこですよ、瀬戸内海。あれ、なんで瀬戸内海の話してるんだったっけ?

とまぁ、ハイパーどうでもいい前置きは置いといて、今日は「卒乳」についてです。
前回の成功に味をしめて、今回も勝手に「小児科医が語ってみるよ」シリーズにしましたが、またまた小児科医的視点はあまり含まれていません。いわばタイトル詐欺ですので、前もって陳謝いたしておきます。

 

はじめに

はてなブログの先週のお題が「卒業」で、公式ブログでの紹介記事の中でid:flyriceさんの「これも1つの卒業 - 今日も脈絡のない言葉たち」という卒乳の話が紹介されていたので、それに影響を受けてちょっと語ってみます。(id:flyriceさんにおかれましては、勝手に言及してしまいすいません)

卒乳については、健診をしていても「まだおっぱい飲ませて大丈夫ですか?」とか「そろそろおっぱいやめさせたいんだけど」みたいな話をよく聞くので、我が家の経験談(失敗談)を含めて書いていきます。

卒乳とは

もともとは英語でおっぱいをやめることを意味する「wean(離脱する)」という言葉を「断乳」と訳して使っていたのが、「断乳」だと何がなんでもやめなければいけないみたいなニュアンスになるので、代わりに「卒乳」という言葉が使われるようになったと言われています。

それとは別に、諸般の事情により赤ちゃんの意に反しておっぱいをやめることを「断乳」、なんとなく赤ちゃんからやめるのを「卒乳」というように区別することもあります。こっちの方が一般的でしょうか。

卒乳の時期は?

一応、離乳食は大体1歳から1歳半で完了するのが一つの目安となっていますので、卒乳もこの辺りが一つの目安となります。

昔は離乳食が進んでいるのに母乳を飲ませていると1歳半健診で怒られた、みたいな話がありますが、現在の母乳育児が重要視されている環境では、むしろ無理におっぱいをやめる必要はないと考えられていて、WHOでは2歳までの母乳育児が推奨されています。

基本的には、「お母さんは大変だろうけど、子どもが欲しがる間は飲ませてあげていいですよ」というのが現在主流のスタンスだと思います。

おっぱいを続けるメリットは?

母子の定期的なスキンシップになる

離乳食が進んで栄養的なメリットがなくなっても、母乳を飲ませることは母子のスキンシップとなって、良好な母子関係の構築や子どもの発達のサポートとなることが考えられています。

病気にかかりにくい

出産後1年以上経っても、母乳中には細菌やウイルスと戦う抗体などの免疫物質が含まれています。
離乳食を始めた後も母乳を継続することによって乳幼児の感染による死亡率が低下するという報告もありますし、2歳以下の重症肺炎において母乳栄養児とそうでない児を比べると母乳栄養児の方が予後がよかったという報告もあります(まぁ、これは直接の因果関係があるかははっきりしませんが)。
お母さんが風邪を引くと、その風邪が子どもにうつりやすいですが、母乳を飲ませていると、母乳中にその風邪のウイルスに対する抗体が含まれているので、風邪がうつりにくいなどと言った効果も期待されます。

病気の時の栄養になる

離乳食が進むと母乳の栄養的な意味は薄れますが、離乳食が食べられない時は栄養源としても重要な意味を持ちます。
熱を出して離乳食を食べない、お茶も飲まないという時に母乳だけは飲んでくれるという子は結構います。このような時は心強い栄養源となってくれます。

母乳を飲ませることによって乳がんになる確率が低下する

欧米での研究で報告されていることですが、母乳育児を行った母親は乳がんになる可能性が低下するという研究結果があります。
報告にもよりますが、だいたい1年の母乳育児で4-5%程度リスクが低下すると言われています。

おっぱいを続けるデメリットは?

虫歯になりやすい、赤ちゃんの自立が遅れる、妊娠していると流産しやすくなる、などいろいろと言われていますが、実はどれも根拠に乏しいものばかりです。
特に「虫歯になりやすい」については諸説ありますが、母乳中の糖分は虫歯の原因になりにくいものですし、母乳よりは歯磨きや口腔内常在菌などの口腔内環境の方が大きな影響を与えている可能性の方が高いと思います。

明確にデメリットとしてあげられるものはなく、僕が検診の時に「早めにやめた方がいいですか?」と聞かれたら「欲しいだけ飲ませてあげていいですよ」と答えるようにしています。

とは言え、上にあげたメリットも、実はそんなに大したことありません。スキンシップは別のことで代用できますし、免疫に関しても乳児期早期に比べると重要性は圧倒的に低いです。乳がんになりにくいといっても、1年飲ませて5%リスクが下がるくらいなので、統計学的には大したことない効果です。

つまり、子どもが飲みたいなら飲ませてあげたらいいけど、頑張って飲ませ続けなければいけないほどのものでは全然ないと言うのが1歳を過ぎてのおっぱいということになります。

いろいろな理由で母乳を止めざるを得ない状況というのはあり、早くやめたからと言って別に子どもに悪いことをしたと罪悪感を抱く必要は全くありません。その分いっぱいお話して抱っこしてあげてください。

ついでにうちの経験談というか失敗談を

うちは卒乳というか断乳に失敗しました。

お兄ちゃんが2歳前にうちの奥さんが2人目を妊娠したのですが、その頃もお兄ちゃんはおっぱい星人真っ盛りで、そもそもなかなか寝ない(「ねないこだれだ」参照)のに、寝る時はママのおっぱいがないと寝れない状態でした。

妊娠後もうちの奥さんは頑張っておっぱいをあげていたのですが、授乳するとどうしてもオキシトシンが出るので子宮に張りが出て気持ち悪くなるという状態になってしまい、つわりと相まって授乳は厳しい状況になってしまいました。

さすがにここはお兄ちゃんになるということで頑張ってもらわないといけないなということで、卒乳(断乳?)を断行することにしました。

昼間におっぱいを欲しがっても、「お腹痛くなるからごめんね」と言って諦めてもらい、他のことで気を紛らわします。

昼間はこれでなんとかなるのですが、夜が大変。ママがいると絶対におっぱいを欲しがるので、しばらく僕だけでの寝かしつけになりました。

もう「ママー、ママー、おっぱい、おっぱい」と言って泣き叫び続け、手がつけられません。数時間がんばって初日はようやく疲れて寝落ちしました。

翌日の夜も同じ感じだったのですが、あまりの大泣きに僕が疲れ果てて、ちょっと魔がさして「パパのおっぱい触ってみるか?」と言ったのが大きな間違いの始まり。泣きながら僕のおっぱいを触って、触っているうちに落ち着いたのか意外にあっさり寝落ちです。

前日の成功(?)に味をしめた僕は、翌日は早々から最終兵器である「パパのおっぱい触ってみるか?」を繰り出します。するとこれも大成功で数十分で寝てくれました。

しかし、ここからが地獄。翌日からは「ママー」とか「おっぱい」とかは言わなくなったのですが、にやにやしながら「パパのおっぱいさわろっかなー」と言いながら僕のおっぱいを触ってきます。拒否すると激おこぷんぷん丸で泣き叫びます。仕方なくおっぱいを差し出すと、延々と絶妙に気持ちの悪いなんとも言えない手つきで僕の乳首をいじくり倒します。正直言ってかなり不快です。なかなか寝ないのでこれが数十分から長い日では1時間以上も続きます。

それが下の子の出産まで延々8ヶ月くらい続きました。下の子がおっぱいを飲み始めてからは、本格的には飲まないもののたまにくわえさせてもらって満足しているのか、「ぱぱのおっぱいさわろっかなー」とは言わなくなりましたが、それにしてもきつかったですね。世のお母さん方は毎晩これに耐えておられるのかと心底尊敬いたしました。

まぁ、きつかったですが今となってはこれもいい経験で、健診の時に卒乳について相談されたら鉄板ネタとして「いやー、別にやめてもいいんだけど、変なやめ方すると、ぱぱのおっぱいさわろっかなーとか言い出すようになるよ。お母さんがいいんだったら本人がもういいって言うまで飲ませてあげたら」と言って話しています。

最後に

卒乳を考えられているお父様、お母様におかれましては、おっぱい星人を卒業させるにあたっては細心の注意が必要です。お母様のおっぱいの身代わりにお父様のおっぱいを差し出すなどということをしてしまうと、その後しばらくお父様が地獄をみる可能性もありますので、最終兵器の軽率な使用はくれぐれも控えられた方が無難です。とは言え、お母様の心身の健康に勝るものはございませんので、いざという時は遠慮なく身代わりに差し出してみると良いと思われます。

 

関連記事

www.heppoco-pediatrician.com

www.heppoco-pediatrician.com

www.heppoco-pediatrician.com

www.heppoco-pediatrician.com